【累進配当に負けない配当政策36銘柄】安定配当の恩恵を受けつつ、業績に応じた配当も欲しい!!

投資戦略

今回は、累進配当にも負けないと思う配当方針銘柄です。(ニイマルクの個人的見解であることをご了承ください)

配当金生活のためのインカム投資では、高配当は魅力的ですが、減配せずに継続的な増配が続くことの見極めが重要です。

米国には25年以上の連続増配を行っている企業も多くあり、「S&P500配当貴族指数」が有名ですが、日本で累進配当を宣言している銘柄はわずかです。

累進配当とは・・・減配せずに、配当を維持または増配し続ける株主還元政策のこと

代表的な累進配当銘柄

①三菱商事(8058)
②伊藤忠商事(8001)
③三井住友FG(8316)
④日本エスコン(8892)
⑤いちご(2337)
⑥稲畑産業(8098)

以前、稲畑産業(8098)について評価した記事があるので興味があればご覧ください。

花王やリコーリースなど、実質の連続増配銘柄もありますが、それでも数は限られています。

また、配当方針として定めたものではないので、業績による変動を受け、無配当になってしまうリスクもあります。

そのような大幅な減配リスクを低減させ、安定配当を株主還元方針とするための指標としてDOEを採用する企業が増えてきています。

ニイマルク調べでは、2022年4 月以降に公表された中期経営計画等で配当政策にDOEを数値として掲げた銘柄は26銘柄ありました。(2022年8月13日時点)

こちらは後日、紹介したいと思います。

DOEとは

株主資本配分率(Dividend on Equity ratioの略)のこと。配当性向は利益に対する比率で配当を決定するが、DOEは株主資本を基準として配当を決定するため、単年度ごとの業績変動を受けにくいメリットがあります。

DOEは、次の2通りで算出することができます。
①:ROE(%)×配当性向(%)
②:1株当たりの配当額÷1株当たりの純資産(BPS)
注)正確には、期首と期末の平均のBPSで算出します。

ニイマルク式、累進配当に負けない配当政策とは?

累進配当を宣言する銘柄が少ない中、配当金生活のための投資対象としてどのような配当政策が自分にマッチするのかを考えていたところ、次のような配当政策を掲げている企業が複数あることに気付きました。

1株当たりの配当下限を設定、かつ当期利益の配当性向を組み合わせて配当金を決定する

具体的に例えると、「配当性向は50%以上で、配当下限は1株あたり100円とする」といった配当政策です。

この場合、EPSが300円であれば配当金は150円以上になり、EPSが100円であっても配当金を100円受けとることできることになります。

配当下限で安定配当を保ち、業績に連動した配当性向で大きな果実も享受できるという点で累進配当政策にも劣らない配当政策だと思います。

投資時点で自分の許容する配当下限内での減配リスク(120円→100円など)を考慮する必要はありますが、投資時点で配当下限の配当金だった場合、今後は累進配当になる可能性もありえます。

ニイマルク調べでは、以下の基準で配当下限と配当性向を組み合わせた配当政策が36銘柄ありました。
DOE採用の場合は配当下限としてではなく、配当金の目安としている銘柄は除外しています
(例:DOE3%以上の場合は対象、DOE3%を目安の場合は除外)

 ①配当下限:1株当たりの配当金額またはDOEを採用
 ②配当性向:総還元性向または配当性向を設定

コード銘柄株価(円)予想
配当金(円)
予想
配当利回り(%)
1720奥村組29281756.0
1860戸田建設693273.9
1925大和ハウス31571304.1
1952新日本空調1880754.0
2117日新精糖1800673.7
2412ベネフィット・ワン2239361.6
2768双日22341125.0
3002グンゼ39951453.6
3021パシフィックネット1116373.3
3284フ-ジャ-ス802486.0
3632グリー824111.3
4044セントラル硝子3440752.2
4202積水化学1937532.7
4208UBE20681004.8
4326インテ-ジHD1590352.2
4465ニイタカ2397642.7
5195バンド-化学990444.4
5631日本製鋼所2949571.9
5695パウダ-テック2228803.6
6369ト-ヨ-カネツ28511354.7
6706電気興業2455602.4
6809TOA809404.9
6815ユニデン40902105.1
7374コンフィデス1945452.3
7628オ-ハシテクニカ1414574.0
8002丸紅1352604.4
8053住友商事1915904.7
8203大興電子通信483163.3
8065佐藤商事1149595.1
8095アステナHD448184.0
8151東陽テクニカ1336503.7
8591オリックス226085.63.8
8624いちよし証券632365.7
8628松井証券803303.7
8708アイザワ証券670243.6
9319中央倉庫976252.6
配当下限と配当性向を組み合わせた配当政策企業一覧(2022年8月13日時点データ)

なお、配当下限を設定している銘柄でも業績が悪い場合は注意が必要です。

DOEは株主資本を基準に算出されるもので安定配当の指標とされますが、損失が大きい場合などは株主資本の減少に伴い減配につながります。

東急建設(1720)はDOE4.0%を配当の基本方針としていますが、2021年度の業績悪化に伴い当初の配当予想から減配を発表しています。(2022年4月22日公表)

本記事は投資を推奨するものではありません。また、注意を払っておりますが数値に誤りがある場合もございます。最終的には、ご自身で確認し、判断をお願いします。

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