【銘柄評価①】累進配当政策の稲畑産業(8098)を評価してみました

銘柄評価シリーズ

ニイマルクは長期保有を前提とした投資方針で、将来的に高配当株での配当金生活を目標にしています。

配当金生活のためには投資銘柄に長期間、安定的に配当を出し続けてもらうことが最重要課題です。

今回は累進配当政策を掲げている稲畑産業について、ニイマルク視点で評価をしていきたいと思います。

ニイマルク的、配当金生活のための投資指標

①株価は割高でないか
②自己資本比率は低すぎないか
③ROEは低すぎないか
④EPSは増加傾向か
⑤株主還元に積極的な配当方針か
⑥配当利回りは4%以上の高配当か
⑦期末の一括配当ではないか
⑧配当性向は高すぎないか

稲畑産業(8098)の概要

住友化学系の化学品専門商社。

情報電子、化学品、生活産業、合成樹脂の4分野における商品の製造販売を行っています。

■今後の主な事業展開

・情報電子・合成樹脂以外の事業の比率を1/3以上に引き上げる

・現在、海外比率約64%のところ、長期的に70%以上に引き上げる

株価データ(2022年7月24日時点)

業種コード銘柄株価PBRPERミックス係数想定為替レート
卸売業8098稲畑産業2381 0.786.65.1120円/$

稲畑産業は株価上昇傾向ですが、ミックス係数は5.1でまだまだ割安のようです。

プライム上場の卸売業141社の平均はPBRは0.9、PERは7.2で、ミックス係数は6.5です。(大括りの業種平均なので、参考程度ですが)

ミックス係数は、PBRとPERの両者を組み合わせて株価割安度を判定する指標です。
PBR×PERで算出し、値が低いほど割安と判断できます。

財務データ

時価総額:1374億円

自己資本比率:45.0%

ROE:12.8%

※2024年3月期までの中期計画では、自己資本利率は40~50%、ROEは10%以上を目標にしています。

配当方針(2024年3月期までの中期計画)

ニイマルクの投資方針として、期末の一括配当は避けています。

稲畑産業の配当権利月は9月末・3月末の2回です。

配当政策の導入状況具体的な取組内容
累進配当・一株当たりの配当額については前年度実績を下限とし、減配は行わず、
継続的に増加させていくことを基本とする。(累進配当の継続)
総還元性向の目安としては概ね50%程度とする。ただし、政策保有株式
を売却し、相当程度のキャッシュインが発生した事業年度においては、今
後の資金需要や会社の財務状況、株価、マーケットの状況などを総合的に
勘案し、上記の総還元性向の目安には必ずしもとらわれずに、株主還元を
実施する。
配当下限
DOE
配当性向
(総還元性向を含む)
・累進配当政策は大きな投資材料です。
・総還元性向は自社株買いと配当を併せた株主還元ですが、こちらも好材料です。

配当実績と今期予想

2018年度2019年度2020年度2021年度2022年度
(予想)
EPS(円)211188229374359
配当金(円)485363110115
配当利回り(%)3.24.53.85.3
配当性向(%)22.728.127.529.4
BPS(円)2693242428873062
DOE(%)1.82.22.23.6
※DOEは概算です。

過去3年間における増配・減配回数

過去3年間は連続増配で、今期も増配予想です。

累進配当政策を宣言している数少ない銘柄で、株主還元に積極的で今後も期待できそうです。

株主優待

100株以上でクオカードの株主優待があります。

長期継続保有の上乗せがあり、最大は300株を3年間以上保有で5000円のクオカードになります。

長期保有の総合利回りはかなり高くなりそうですが、株主優待の廃止が増えてきているので優待目的での投資は慎重にした方が良さそうです。

まとめ

ニイマルクの投資指標での評価は、良好な結果になりました。

会社の成長に応じて、株主還元を充実させてくれる印象です。

日本の市場成長性の観点から、海外比率が高いのもプラスポイントです。

現在、想定為替レートを120円/$としていますが、海外比率が64%と高いので円安が業績に良い影響を与えるといいのですが。

投資指標評価コメント
①株価は割高でないかミックス係数5.1で割高感はない
②自己資本率は低すぎないか45.0%で低くなく、会社の方針とも一致している
③ROEは低すぎないか12.8%で利益率は高い
④EPSは増加傾向か増減はあるが、長期では増加傾向
⑤株主還元に積極的な配当方針か累進配当政策と高い総還元性向を宣言
⑥配当利回りは4%以上か予想配当利回り4.5%
⑦期末の一括配当ではないか中間・期末の2回配当
⑧配当性向は高すぎないか20~30%で配当余力あり

銘柄評価は現時点の数値をまとめたもので投資を推奨するものではありません。

また、数値に誤りがある場合もありますので、ご了承ください。

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