住友商事が株主還元の新指標にDOEを採用

DOE採用銘柄

累進配当を掲げる三菱商事(8058)・伊藤忠商事(8001)に加えて、配当下限を設定している三井物産(8031)・丸紅(8002)など、商社株は株主還元に積極的で、ニイマルクの投資候補銘柄になっています。

累進配当とは・・・減配せずに、配当を維持または増配し続ける株主還元政策のこと

今回は8月26日(金)の日本経済新聞の朝刊で、5大総合商社の一つである住友商事(8053)が株主還元の新指標にDOEを採用したとの記事があったので、紹介します。

実際に住友商事がDOE採用を公表したのは2022年5月10日で、2022年度以降はDOE3.5%~4.5%の範囲内で、連結配当性向30%を目安にするとの見直しが行われ、従来よりも株主還元が強化されました。

うれしいことに、業績が良く配当性向30%が設定したDOEを越えた部分は、配当や自己株式取得の株主還元を実施とあります。

出典:2022年5月10日公表:住友商事の2022年3月期決算短信[IFRS](連結)から抜粋

DOEとは

株主資本配分率(Dividend on Equity ratioの略)のこと。配当性向は利益に対する比率で配当を決定するが、DOEは株主資本を基準として配当を決定するため、単年度ごとの業績変動を受けにくいメリットがあります。

資源を扱う総合商社株などは景気等の外部要因で業績の変動が大きいと言われていますが、業績に比べて相対的に安定的である株主資本を指標とするDOEを株主還元方針にすることで、配当が安定的になります。

DOEは、次の2通りで算出することができます。
①:ROE(%)×配当性向(%)
②:1株当たりの配当額÷1株当たりの純資産(BPS)
注)正確には、期首と期末の平均のBPSで算出します。

上記②の方法により、住友商事の2023年3月期の配当金をDOE3.5%~4.5%、配当性向30%で算出してみます。

ちなみに、住友商事は2023年3月期の予想配当金を90円としています。
※使用する数値①:2022年3月期の1株当たり株主資本(親会社所有者帰属持分)2558.24円
※使用する数値②:2023年3月期の予想1株当たり当期利益(EPS)296円

DOE3.5%の場合:配当金÷2558.24円=3.5%
         配当金=2558.24円×3.5%
         配当金=89.5円
DOE4.5%の場合:配当金÷2558.24円=4.5%
         配当金=2558.24円×4.5%
         配当金=115.1円
配当性向30%の場合:296円×30%=88.8円

以上の計算から、DOEとして89.5円~115.1円の範囲、配当性向として88.8円目安になります。

DOEで算出するには2023年3 月期末の株主資本の数値が必要なので概算になってしまいましたが、会社が予想している配当金90円と一致することがわかりますね。

住友商事が新たに採用した①安定配当の指標となるDOE②業績連動型の配当性向の組み合わせは、とても魅力的な株主還元方針で、別の記事でも紹介しているので興味がある方はご覧ください。

ただし、DOEは株主資本を基準に算出されるもので安定配当の指標とされますが、損失が大きい場合などは株主資本の減少に伴い減配される可能性はあります。

安定配当の指標だけどリーマンショックや新型コロナなどの混乱期に減配できる余地を残している点が、減配をしない累進配当政策とDOEの違いの一つだと思います。

本記事は投資を推奨するものではありません。また、注意を払っておりますが数値等の内容に誤りがある場合もございます。最終的には、ご自身で確認し、判断をお願いします。

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