配当投資における累進・連続増配銘柄
ニイマルクは配当金で生活資金を賄う「自分年金づくり」を目標にしています。
配当生活の一番のリスクは減配で、これをコントロールするための最適解が分散投資・連続増配株への投資だと思います。
分散投資の「分散」には、時間・銘柄・地域・通貨などがありますが、今回は銘柄分散がメインの記事になります。
令和になってから市場再編や東証のPBR1倍割れ企業への改善要請、資本効率化でROEを高める政策が求められ中で企業の株主還元意識も高まり、配当政策が充実してきました♪
そこで今回着目するのが、2023年6月30日から日本経済新聞社が算出・公表を開始した日経連続増配株指数、日経累進高配当株指数(愛称:しっかりインカム)です。
米国株には25年以上連続増配をする配当貴族銘柄が約60銘柄もあるのに、これまでの日本株には花王やリース銘柄などに限定され、累進配当銘柄がほとんどなかったため配当投資戦略に苦労していました💦
市場再編・低PBR対策・新NISAなどの環境変化に対して企業が本気で対策を取り、投資家にとって選択肢が増えるのは良い状況で、景気や地政学リスクに注意しつつも二イマルクはその流れに全力で乗っていくつもりです。
過去に記事にしましたが、二イマルクがこれまで日本株の配当投資として確認できた指数はS&Pダウ・ジョーンズ・インデックスと日本取引所グループ、東京証券取引所が共同で開発した配当貴族指数S&P/JPX 配当貴族指数のみでした。
累進配当に着目した指数と構成銘柄
ニイマルクは新NISAでも、累進配当・連続増配銘柄や減配リスクの少ないDOE採用銘柄を中心に配当金の積上げを継続する予定です。
脱サラをして会社に縛られずに人生後半を楽しむために生活資金を配当金で賄うのが最大の目的です。
今回は、新NISAを見据えて「日経の新指数」と「S&P/JPX 配当貴族指数」の比較をしてみたいと思います。
指数 | 日経連続増配株指数 | 日経累進高配当株指数 (愛称:しっかりインカム) | S&P/JPX 配当貴族指数 |
構成銘柄 | 増配を原則10年以上続け る銘柄のうち、連続増配 の年数上位から70銘柄を 上限 | 減配せず増配か配当維持 (累進配当)を10年以上 続ける銘柄のうち、予想 配当利回りが高い順に30 銘柄 | 過去10年以上増配または 配当を維持する銘柄を対 象40~50銘柄 |
S&P/JPX 配当貴族指数の構成銘柄は上位10銘柄しか公表されていません。
全銘柄を確認したい二イマルクは、「S&P/JPX 配当貴族指数」をベンチマークにする「One ETF 高配当日本株(1494)」の投資信託説明書を参照して構成銘柄を確認するようにしています。
そこで、本記事に合わせて「One ETF 高配当日本株(1494)」の投資信託説明書を見てみました。
しかしっ、最新のものが2023年7月8日版で開示から期間が開いてしまい、その間に銘柄入替えが多くあったので、今回は指数として公表されている上位10銘柄で見てみたいと思います。
日経連続増配株指数 | 日経累進高配当株指数 | S&P/JPX 配当貴族指数 | |||
コード | 銘柄 | コード | 銘柄 | コード | 銘柄 |
4452 | 花王 | 4502 | 武田薬品工業 | 5444 | 大和工業 |
7466 | SPK | 8593 | 三菱HCキャピタル | 5706 | 三井金属鉱業 |
8593 | 三菱HCキャピタル | 4008 | 住友精化 | 5020 | ENEOS |
8566 | リコーリース | 5938 | LIXIL | 4041 | 日本曹達 |
4732 | ユー・エス・エス | 5302 | 日本カーボン | 4042 | 東ソー |
4967 | 小林製薬 | 1951 | エクシオグループ | 8595 | ジャフコ グループ |
9058 | トランコム | 8418 | 山口FG | 5076 | インフロニア・HD |
9433 | KDDI | 8354 | ふくおかFG | 8130 | サンゲツ |
9436 | 沖縄セルラー電話 | 8306 | 三菱UFJ FG | 5857 | ARE HD |
9989 | サンドラッグ | 7433 | 伯東 | 9513 | 電源開発 |
5947 | リンナイ | 8725 | MS&AD | ||
8113 | ユニ・チャーム | 4042 | 東ソー | ||
2659 | サンエー | 8309 | 三井住友トラスト・HD | ||
2784 | アルフレッサ HD | 4208 | UBE | ||
7504 | 高速 | 8584 | ジャックス | ||
6370 | 栗田工業 | 8316 | 三井住友FG | ||
9843 | ニトリホールディングス | 5857 | ARE HD | ||
4527 | ロート製薬 | 6486 | イーグル工業 | ||
7532 | パン・パシフィック | 8595 | ジャフコ グループ | ||
8425 | みずほリース | 4041 | 日本曹達 | ||
8424 | 芙蓉総合リース | 9733 | ナガセ | ||
9787 | イオンディライト | 1941 | 中電工 | ||
9037 | ハマキョウレックス | 5020 | ENEOS | ||
1973 | NECネッツエスアイ | 8411 | みずほFG | ||
7613 | シークス | 3738 | ティーガイア | ||
3844 | コムチュア | 8341 | 七十七銀行 | ||
3769 | GMOペイメントゲートウェイ | 3244 | サムティ | ||
4547 | キッセイ薬品工業 | 1719 | 安藤・間 | ||
2502 | アサヒグループホールディングス | 8473 | SBI HD | ||
4765 | SBIグローバルアセット | 8630 | SOMPO | ||
4206 | アイカ工業 | ||||
5393 | ニチアス | ||||
2374 | セントケア・ホールディング | ||||
4212 | 積水樹脂 | ||||
1414 | ショーボンドホールディングス | ||||
8771 | イー・ギャランティ | ||||
3097 | 物語コーポレーション | ||||
3349 | コスモス薬品 | ||||
3038 | 神戸物産 | ||||
4845 | スカラ | ||||
5970 | ジーテクト | ||||
1925 | 大和ハウス工業 | ||||
9882 | イエローハット | ||||
8015 | 豊田通商 | ||||
8012 | 長瀬産業 | ||||
4204 | 積水化学工業 | ||||
9956 | バローホールディングス | ||||
6750 | エレコム | ||||
4205 | 日本ゼオン | ||||
4768 | 大塚商会 | ||||
2127 | 日本M&AセンターHD | ||||
3837 | アドソル日進 | ||||
7976 | 三菱鉛筆 | ||||
4975 | JCU | ||||
8283 | PALTAC | ||||
4901 | 富士フイルムホールディングス | ||||
4543 | テルモ | ||||
3166 | OCHIホールディングス | ||||
1930 | 北陸電気工事 | ||||
8929 | 青山財産ネットワークス | ||||
1949 | 住友電設 | ||||
8418 | 山口フィナンシャルグループ | ||||
7438 | コンドーテック | ||||
9432 | 日本電信電話 | ||||
9364 | 上組 | ||||
7990 | グローブライド | ||||
9435 | 光通信 | ||||
9658 | ビジネスブレイン太田昭和 | ||||
2353 | 日本駐車場開発 | ||||
9757 | 船井総研ホールディングス |
黄色で反転した三菱HCキャピタル(8593)と山口FG(8418)は日経連続増配株指数と日経累進高配当株指数で重複している銘柄です。
S&P/JPX 配当貴族指数の上位10銘柄と日経連続増配株指数銘柄で重複したものはありませんでしたが、日経累進高配当株指数とは10銘柄中、5銘柄(緑色で反転)も重複がありました。
累進配当政策であっても継続して利益を出し続けているかの業績確認は欠かせませんが、これらの銘柄は増配実績という安定感で二イマルクも複数銘柄を保有しています。
累進配当・連続配当銘柄を業種分散で見てみる
冒頭でも触れたとおり、分散投資の「分散」には時間・銘柄・地域・通貨などがあります。
このうち、「銘柄分散」は個別企業の事故・不祥事・事業失敗による特別損失などで発生するリスクを分散させることで影響を低減化させる効果があります。
この「銘柄分散」をもう少し大きなグループで考えるのが、「業種分散」です。
景気・地政学リスク・技術革新などにより、株価や業績に有利・不利に影響する「業種」で分散を考えます。
景気は循環するもので、米国と日本の業種で分類したのが下図になります。
今回紹介した日経累進高配当株指数で構成される30銘柄を上記の業種で分類してみてみると以下のようになります。
業種で分類すると、「銀行」や「金融」の銘柄が多いことがわかりますね。
業種を加味した分散投資を意識するのであれば、「金融」に限定せずに複数の業種を組み合わせるのも有効だと思います。
2023年は累進配当政策を掲げる企業が多く、銘柄が増えたため情報収集が大変になりましたが嬉しい悲鳴です。
今後の継続増配を期待して、今回の指数銘柄とともに新NISA候補としてウォッチングしていきます。
投資信託・ETFで累進配当・連続増配銘柄をパッケージ買い
日本の投資人口は20~25%程度というデータがあります。
二イマルクの周りの一般サラリーマンと話をしていても大体同じくらいの印象です🍀
日本人の多くはまだ投資をしたことがなく、新NISAを契機に投資を始める方も多いと思います。
不測自体に備えた生活防衛資金は重要ですが、余裕資産の全てを現金保有することは物価上昇がおきると目減りにつながってしまいます💦
現在100万円の現金を保有しており、1年後に10%の全ての物価上昇が起きたと単純仮定すると
100万円×{1÷(1+0.1)}=90.9万円の現在価値になると計算できます。
投資を始めた当初は情報収集の方法がわからなかった経験があり、いきなり個別銘柄はハードルが高いという場合に選択肢になるのが投資信託・ETFです。
ちなみに二イマルクは新型コロナ前まで米国の個別銘柄を保有していましたが、外国企業の決算や情報収集する時間も能力もなく、よくわからないまま大事な資産を投資するのはリスクが大きいと判断し、全て売却しました。
しかし、資源を外国に依存する日本で生きていく中で高齢化や人口減少で成長性に大きな期待ができない状況を考えると米国や全世界経済の成長の果実はゲットしたいと思い辿り着いたのが投資信託・ETFです。
各投資信託・ETFごとに非常に多くの投資対象やテーマがあるので、自分に合ったものがあると思うので時間をかけて調べてみるのも良いと思います🌟
今回は、日本の累進配当を対象にしたETF・投資信託をみてみます。
ETF | |||||
コード | 名称 | 概要 | 純資産 | 信託報酬 | 利回り |
1494 | One・高配当日本株 | ・S&P/JPX 配当貴族指数に連動を目指す ・40~50銘柄で構成 ・過去10年以上増配または配当を維持する銘柄 ・時価総額500億円以上 | 291.4億円 | 0.308% | 2.99% |
投資信託 | |||||
名称 | 概要 | 純資産 | 信託報酬 | 利回り | |
SMT日本株配当貴族 インデックス・オープン | ・S&P/JPX 配当貴族指数に連動を目指す ・40~50銘柄で構成 ・過去10年以上増配または配当を維持する銘柄 | 25.1億円 | 0.462% | 0% | |
日本連続増配成長株オープン | ・日本の連続増配株銘柄を対象 ・連続増配期間の長さ、時価総額、信用リスク、流動性等 を考慮して銘柄選定 | 56.7億円 | 1.584% | 5.20% | |
iFreeNEXT 日経連続増配株指数 (資産成長型)/(年 4 回決算型) | ・日経連続増配株指数に連動を目指す ・増配を原則10年以上続ける銘柄のうち、連続増配 の年数上位から70銘柄を上限 | ー | 0.451% | ー |
2023年11月22に大和アセットマネジメントから、本記事で紹介した「日経連続増配株指数」を対象にしたiFreeNEXT 日経連続増配株指数が誕生しました。
今後の利回りやパフォーマンスは未知数ですが、資産成長型と年4回決算型の2つが設定されています。
この投資信託には、大注目しており今後もチェックして見ていきたいと思います。
本記事は定期的にリライトして、累進配当を配当方針としている企業を追加していく予定です✨
本記事は投資を推奨するものではありません。
数値に誤りがある場合もありますので、最終的にはご自身で確認した上で判断してください。
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