日本版配当貴族の10期以上連続増配記録がストップした銘柄

日本版の配当貴族銘柄

長期間に渡って連続増配を続けた銘柄は注目度が高く、配当金を目的とした投資では必ずチェックしておきたいテーマです。

下図は、「配当金(インカムゲイン)を重視した二イマルクの投資スタイル」を図示化したものになります。

10期以上連続増配を続ける日本版配当貴族

サラリーマン投資家の二イマルクは、③テーマ型高配当株で「日本版配当貴族の10期以上連続増配を続ける高配当株」を対象にしています。

減配せず安定的に配当金を増やしてくれる銘柄は、安心感がありモチベーションにつながりますよね🌟

連続増配に興味がある方は、配当利回り3.5%以上の日本版配当貴族をまとめたものを記事にしているので参考にしてください。

記事でも紹介していますが、二イマルクが日本版配当貴族として考えているのは、配当貴族指数である「S&P/JPX 配当貴族指数」の「過去10年以上増配または配当を維持する銘柄」の定義をもとにしています。

今回紹介するのは連続増配が続いている銘柄ではなく、逆に10期以上連続増配した記録がストップしてしまった銘柄です💦

連続増配記録がストップした銘柄を取上げる理由

■一般的に10期以上連続増配を続けることができた銘柄は、事業の安定性と成長性が期待できます。ただし、実績としては素晴らしいものであっても、あくまでも過去のものであって未来を保証するものではありません。また、中には業績に連動せずに無理に増配を続けてきた銘柄があることも排除できません。
■そこで、連続増配記録がストップした時の状況を確認することで、連続増配株への理解を深めて投資に役立てます。

10期以上の連続増配記録がストップした銘柄

今回、取り上げるのは2018年以降に10期以上の連続増配記録がストップした銘柄です。

連続増配記録がストップした「前3期と次期」の5期の推移をみていきます。

20期で記録ストップ(1銘柄)

最長の20期連続増配で記録がストップしたのはHUグループHD(4544)です。

HUグループHD(4544)は2004年から2005年にかけて、決算期を12月から3月に変更しているので減配に見える期がありますが、通年に換算すると実質増配だったので連続増配にカウントしています。

連続記録は長いもののEPSや配当性向を見てもわかるように、記録がストップする前から厳しい状況だったことがわかります💦

18期で記録ストップ(1銘柄)

シスメックスは2021年で連続記録がストップしましたが、減配はしていません。

2023年も増配予想のため、非減配記録は継続しています。

17期で記録ストップ(2銘柄)

16期で記録ストップ(2銘柄)

JTも2014年に決算期を3月から12月に変更していますが、9か月決算だった2014年12月期も配当が増えており、真の連続増配でした🌟

個人投資家などには高配当利回り銘柄として人気な半面、配当性向が高まっており減配リスクが指摘されていましたが、ついに2020年に16期の連続増配記録が止まり、翌2021年には減配になってしまいました。

その後は、不死鳥のように配当が増えていますが、ロシアのリスクなどの不透明感は残ります。

たばこは衰退産業だと思いますが、一定の根強い需要は残り、参入障壁もあるので考え方次第ですね💦

15期で記録ストップ(1銘柄)

14期で記録ストップ(4銘柄)

13期で記録ストップ(1銘柄)

11期で記録ストップ(6銘柄)

10期で記録ストップ(3銘柄)

2023年2月・3月期で連続増配がストップする可能性のある2銘柄

2022年度も連続増配記録が止まってしまう候補はいくつかありますが、中でも連続記録の長い2銘柄に注目しています。

■サンエー(2659)

18期連続増配中。2023年2月期予想では、連続増配記録がストップ

■東京センチュリー(8439)

19期連続増配中。2023年3月期予想では、連続増配記録がストップ

サンエーは過去に通期決算で増配をしているので、今期も増配の可能性があると思います。

東京センチュリーはロシアの影響が大きく読めませんが、保険金が効く目算もあるようなので最終的に増配してくれる余地はあると思っています。今期、なんとか増配で乗り切ってくれれば記録更新も期待ができる銘柄だと思っています。

まとめ

2018年以降に10期以上の連続増配記録がストップした21銘柄を東証33業種、東洋経済業種別にまとめてみました。

下表を見てもわかる通り、東洋経済業種で「外食・娯楽サービス」に分類されている銘柄が、東証33業種では「サービス業」と「小売業」と別業種に分類されているものがあります。

二イマルク的には各企業の最大収益事業を基準に分類している「東洋経済業種」の方が、より企業の実態に合った分類だと思い、参考にしています。

米国では25期以上の連続増配を配当貴族と呼びますが、日本版配当貴族の10期程度だと大きな経済危機を経験していない可能性もあり、外部環境の影響を受けて減配してしまう銘柄が多い印象です。

目安として2008年のリーマンショック、2020年のコロナ危機を乗り越えた15期以上になると安心感も出てきます。

連続増配銘柄でチェックしたいこと

・EPSが右肩上がりで、長期的にも期待できる事業内容
・配当性向が高すぎない
・株主還元に積極的であること

配当金の増額は剰余金からの支払い、つまり好業績が大前提です。

好業績で裏付けられた連続増配株は、配当の成長とともに長期的に株価上昇も期待ができるため今後もチェックしておきたいテーマです。

銘柄選定の目利き力を高めるためにも、良い成績だけではなく、リスク情報にもアンテナを張っていきたいところです。

連続増配だけでなく、25年以上の非減配記録(減配しない)がストップした銘柄も記事にしています。

本記事は投資を推奨するものではありません。
数値に誤りがある場合もありますので、最終的にはご自身で確認した上で判断してください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました