【減配しない銘柄(前編)】25年以上の連続非減配記録がストップした日本版配当貴族銘柄

日本版の配当貴族銘柄

今回は、二イマルクの投資戦略の一つであるテーマ型高配当株の「配当貴族銘柄(非減配編)」の前編として長年、減配をしなかった非減配の連続記録がストップしてしまった銘柄です。

 

一方、一時的な影響で業績が悪くなった年でも何とか減配をせずに頑張った「連続非減配銘柄」の情報は多くありません。

配当金投資では、増配銘柄だけでなく、連続非減配銘柄もチェックして投資候補に加えておきたいところです。

今回の記事は、二イマルクにとって「連続非減配銘柄」は隠れた投資候補にあたる可能性があるので、その掘り起こしをするのが目的です。

非減配がストップした銘柄を取り上げる理由

連続非減配銘柄の記事は、前編・後編に分けて紹介します。
通常は、連続増配や非減配銘柄に着目しがちですが、記録はいつか途絶えるものです。
前編では新型コロナ渦で非減配記録がストップした銘柄を取り上げることで、非減配銘柄の理解を深めることに役立てます。

つまり連続増配や非減配ということだけに着目するのではなく、その逆側の連続記録がストップした銘柄と当時の状況も確認することで、実際の銘柄選定に活かしていこうという狙いです🌟

ここから本題になりますが、配当貴族と言ってすぐに思いつくのは「S&P500配当貴族指数」だと思います。これは米国の優良大型株S&P500構成銘柄のうち、25年以上連続して増配を実施している銘柄です。

日本株では、現在のところ25年以上連続増配している銘柄は花王の1銘柄しかありません。

そこで日本株を対象した日本版配当貴族として「S&P/JPX 配当貴族指数」が開発されています。

「S&P/JPX 配当貴族指数」とは

・S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスと日本取引所グループ、東京証券取引所が共同で開発した配当貴族指数で40~50銘柄で構成
・TOPIX構成銘柄のうち、過去10年以上増配または配当を維持する銘柄を対象
・配当性向が0%以上100%以下の銘柄で構成
・配当利回りが10%を超えない銘柄で構成

日本株を対象にした「S&P/JPX 配当貴族指数」は、対象年数が10年、連続増配に加えて配当維持(非減配)を含むのが大きな特徴です。

この「S&P/JPX 配当貴族指数」の条件に当てはまる10年以上の非減配銘柄はとても多くあります。

そこで次回の後編で紹介する非減配銘柄編では、10年ではなくリーマンショック・新型コロナ危機を乗り越えた精鋭の「14年以上、連続非減配銘柄」を対象にしたと思います。

それでも約350社あったので、その中から高配当株をピックアップしたいと思います。

リーマンショックを乗り越えて14年以上、連続増配しているのは33銘柄あります。
非減配銘柄は、連続増配よりも約10倍あるのでチェックする甲斐がありそうです🍀

新型コロナ禍(2020年~)で、25年以上の連続非減配記録がストップした17銘柄

今回は、大きな社会変化が起きた新型コロナ禍の2020年以降に25年以上の連続非減配の記録がストップした銘柄について、減配の3期前からの推移を見ていきます。

新型コロナ禍では、大幅な業績悪化に加えて当時の先が見通せない状況で減配をした企業が多くありました。

この中には、これまで抜群の実績を誇ってきた25年以上の連続非減配銘柄も含まれます。

特に、鉄道や行楽などのリアルな活動で事業が成り立っている企業の記録ストップが目立ちます。

非減配31年でストップした1銘柄

連続増配:0年、非減配:31年でストップ

非減配30年でストップした7銘柄

連続増配:0年、非減配:30年でストップ
連続増配:0年、非減配:30年でストップ
連続増配:0年、非減配:30年でストップ
連続増配:8年、非減配:30年でストップ
連続増配:0年、非減配:30年でストップ
連続増配:0年、非減配:30年でストップ
連続増配:0年、非減配:30年でストップ

非減配29年でストップした3銘柄

連続増配:8年、非減配:29年でストップ
連続増配:0年、非減配:29年でストップ
連続増配:0年、非減配:29年でストップ

非減配28年でストップした3銘柄

連続増配:4年、非減配:28年でストップ
連続増配:0年、非減配:28年でストップ
連続増配:0年、非減配:28年でストップ

非減配27年でストップした1銘柄

連続増配:0年、非減配:27年でストップ

非減配25年でストップした2銘柄

連続増配:0年、非減配:25年でストップ
連続増配:8年、非減配:25年でストップ

まとめ

今回は二イマルク式のテーマ型高配当株として連続非減配銘柄への投資を探る中で、通常とは逆の観点から25年以上の連続記録がストップした17銘柄を見てみました。

新型コロナウイルス感染症対策で緊急事態宣言という過去に経験したことがない外出制限の影響は大きく、業種別にみると陸運業で記録ストップした銘柄が多くなっています。

多くの企業でテレワークが導入され、単なるデジタル化に留まらないDXが注目されました。

日本が生産性を高めて競争力を高めるための社会構造を変えるきっかけにもなりましたが、現在の満員電車を見ると徐々にではありますが新型コロナ前に戻っています。

しかし、全く元通りになるとは考えにくく、一度記録のストップした銘柄が今後も稼ぐことができるのかは個別具体的に見ていく必要があると思います。

今後は25年以上非減配からもう少し年数を広げて(20年くらい?)、減配時の銘柄の業績・事業モデル・配当政策等も見ていきたいなーと思っています。

補足として、二イマルクは連続増配と連続非減配リストを作る中で意識しているのが、「記念配当や特別配当」の影響を除外することです。

「一過性の利益や創立記念等」を普通配当に上乗せした年の次年度に配当が減っても、それを減配としては見ないということです。

せっかく配当を上乗せしてくれたのに、減配として対象外にするのはもったいないような気がしたためです。(次年度に特別配当等を上回る普通配当を出してくれるのが一番ではありますけど🌟)

特別配当等があった次の年を減配とした場合、下枠に挙げた6銘柄は25年以上の連続非減配の記録がストップして今回のリストに載っていたことになります。

特別配当等で減配に見える銘柄

・オカモト(5122)・・・2019年3月期が特別配当
・象印マホービン(7965)・・・2018年11月期が記念配当
・ジャステック(9717)・・・2020年11月期が記念配当
・片倉工業(3001)・・・2021年12月期が特別配当
・協立電機(6874)・・・2019年6月期が特別配当
・ダイセル(4202)・・・2020年3月期が特別配当

二イマルクは、これらの銘柄を「非減配」と見なしてウォッチしていきたいと思います。

前編は、連続非減配の逆の観点から記録がストップした銘柄を取上げてみました。

後編では、2008年のリーマンショックを乗り越えて2022年現在まで14年以上減配をしていない日本版配当貴族(非減配銘柄編)を見てきたいと思います。

本記事は投資を推奨するものではありません。
数値に誤りがある場合もありますので、最終的にはご自身で確認した上で判断してください。

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