二イマルクは下図のように、主に配当利回り4%以上の①累進配当銘柄、②DOE・配当下限採用銘柄、③テーマ型高配当株を投資対象にしています。
今回は、投資対象の中から2月が権利月の銘柄を取り上げてみたいと思います。
④~⑦はハイブリッド型の配当政策で(例:②DOEと③配当性向の掛け合わせ=⑥)、それぞれの政策の良いところ掛け合わせる相乗効果と、弱点を補うことができる補完効果があり、株主還元意識が高く配当投資候補として優先順位が高い銘柄群になります。
2月権利月の累進配当・配当下限・DOE採用・テーマ型高配当株
2月が権利月の累進配当銘柄、DOE・配当下限採用銘柄、テーマ型高配当株は9銘柄ありました。
このうち、二イマルクが投資対象とする配当利回り4%以上は3銘柄で、残りの網掛け6銘柄はウォッチリストに入れている状態です。
3銘柄の中でAVANTIA(8904)・ヨンドシーHD(8008)は、安定配当が期待できる配当下限やDOEを配当政策に掲げている銘柄です。
特に、AVANTIA(8904)は配当下限38円と安定配当のメリットに加えて、業績に応じた配当額を決定する配当性向を配当政策にしています。
この安定配当(配当下限)と業績連動(配当性向)を組み合わせたハイブリット型の配当政策は、配当投資の観点からとても魅力的で累進配当にも負けないと思っています。
配当下限と配当性向を組み合わせることで、一時的に業績が悪くなっても配当下限で38円が保証され、業績が好調なときは業績に応じた利益を配当として受け取ることができる
過去に、安定配当(DOE・配当下限)と業績連動(配当性向)を組み合わせた銘柄の記事も書いていますので興味があればご覧ください。
エーアーティー(9381)
9銘柄で最も配当利回りの高いエーアーティーは、中国から衣料品や日用雑貨など海上貨物の輸入が主力の国際貨物輸送企業です。
配当方針は、業績連動型の配当性向60%を指標にしています。
2023年2月期は配当性向54.8%の予定で、計画どおりの業績であれば若干、増配の余地がありそうです。
ちなみに、2015年は配当金50円のうち20円は特別配当です。2016年は減配のように見えますが、2015年の特別配当を除けば「20年以上の非減配銘柄」になります。
配当政策の導入状況 | 具体的な取組内容 | |
ー | 累進配当 | 連結配当性向60%を目指す |
ー | 配当下限 | |
ー | DOE | |
○ | 配当性向 (総還元性向を含む) |
エーアイティーは主要な投資候補である安定配当の配当政策ではありませんが、二イマルク式投資戦略の中で「テーマ型高配当株」として注目しています。
「テーマ型高配当株」は、配当政策では投資候補にしていないものの、株価上昇・株主還元の強化等が期待できるテーマに当てはまる高配当銘柄群です。
この中でエーアーティー(9381)は東証プライム暫定銘柄になります。
・業績の上方修正と増配が期待できる配当性向設定銘柄
・経済産業省選定のグローバルニッチトップ企業
✅東証プライム暫定、TOPIX除外候補で株主還元強化の期待銘柄←エーアイティーはココに分類
・高配当ETF、高分配型投資信託
・総還元性向・配当性向100%銘柄
・配当貴族(連続増配銘柄)
・配当貴族(非減配銘柄)
2022年4月の市場再編では、東証プライムの上場維持基準に適合していない銘柄も暫定的に東証プライムに移行できる経過措置が設けられました。
しかし、上場基準を満たさないまま上場が維持できるのでなく、2026年までの経過措置期間中に基準に適合しなければならないルールになっています。
このような銘柄は企業価値を高める等の取組みが必要で、二イマルクは株価上昇や株主還元強化を期待して「テーマ型高配当株」としています。
エーアーティー(9381)だけでなく、AVANTIA(8904)や三陽商会(8011)も東証プライム暫定銘柄で、上場維持基準に適合するための計画書が公表されています。
興味がある方は、枠内のリンク記事をご覧になってください。
投資指標 | 評価 | コメント |
①株価は割高でないか | △ | ミックス係数23.7で若干、割高感あり |
②自己資本率は低すぎないか | ○ | 約59%で問題なし |
③ROEは低すぎないか | ○ | 約18%で利益率は高い |
④EPSは増加傾向か | ○ | 長期で右肩上がり |
⑤株主還元に積極的な配当方針か | ○ | 配当性向60%と高めの配当性向で還元 |
⑥配当利回りは4%以上か | ◎ | 予想配当利回り5.1% |
⑦期末の一括配当ではないか | ○ | 中間・期末の2回配当 |
⑧配当性向は高すぎないか | △ | 2023年は55%だが、配当政策に沿った数値 |
AVANTIA(8904)
AVANTIA(8904)は東海圏で土地付き戸建ての注文住宅を主力にしている企業です。関西や首都圏にも進出を進めて行く計画のようです。
2022年に「配当性向25%程度かつ配当下限38円」を配当方針に設定しています。
2023年8月期の予想配当性向は41.7%で配当方針の25%よりもかなり高いので、このままであれば予想通り38円になると思います。
長年38円配当が続いていますが、非減配年数は14年になります。
配当政策の導入状況 | 具体的な取組内容 | |
ー | 累進配当 | 配当性向25%程度かつ配当下限38円 |
○ | 配当下限 | |
ー | DOE | |
○ | 配当性向 (総還元性向を含む) |
このほかに継続保有1年間が必要ですが、100株以上で1000円のクオカードの株主優待があります。
二イマルクも毎年、クオカードを貰っています。
投資指標 | 評価 | コメント |
①株価は割高でないか | ◎ | ミックス係数3.5でかなりの割安株 |
②自己資本率は低すぎないか | ○ | 約44%で問題なし |
③ROEは低すぎないか | △ | 約7%で平均的な数値 |
④EPSは増加傾向か | △ | 減少傾向ではないが、横ばいで推移 |
⑤株主還元に積極的な配当方針か | ◎ | 業績連動と安定配当を組み合わせた「配当性向25%程度かつ配当下限38円」 |
⑥配当利回りは4%以上か | ○ | 予想配当利回り4.8% |
⑦期末の一括配当ではないか | ○ | 中間・期末の2回配当 |
⑧配当性向は高すぎないか | △ | 約40%で低くも高くもないので今後の推移に注視 |
ヨンドシーHD(8008)
ヨンドシーHDは、ジュエリーなどの企画・製造・販売をしている企業で、主力は20〜30代に人気の「4℃」です。
会社HPを見てみると、配当はDOE4%以上で中長期では100円を目標にしているようです。
2019年頃から急激にEPSが減少している一方、少しずつ増配を続けているため配当性向が100%を超えています。
2022年2月期までで「11年連続増配、26年非減配」ですが、2023年2月期予想では減配こそないものの増配はストップするかもしれません。
会社は配当での還元に強い意志があるように感じます。自己資本比率が75%とかなり高いので数年間であれば大丈夫だと思いますが、この状況が続くようであれば減配の可能性も出てくるので注意が必要だと思います。
配当政策の導入状況 | 具体的な取組内容 | |
ー | 累進配当 | DOE4%以上、中長期では100円を目標 |
ー | 配当下限 | |
○ | DOE | |
ー | 配当性向 (総還元性向を含む) |
投資指標 | 評価 | コメント |
①株価は割高でないか | × | ミックス係数34.5で割安感はない |
②自己資本率は低すぎないか | ◎ | 約75%で問題なし |
③ROEは低すぎないか | × | 約3.6%で低い |
④EPSは増加傾向か | × | 2019年以降に減少 |
⑤株主還元に積極的な配当方針か | ○ | DOE4%以上。2022年2月期時点で「11年連続増配、26年非減配」 |
⑥配当利回りは4%以上か | ○ | 予想配当利回り4.7% |
⑦期末の一括配当ではないか | ○ | 中間・期末の2回配当 |
⑧配当性向は高すぎないか | × | 連続で100%を超えている |
まとめ
今回の2月権利銘柄リストを見てもわかるように、候補銘柄が少ないのが難点です。
予想配当利回りが4%を超える銘柄は3銘柄で、二イマルクが気になったのはエーアーティー(9381)とAVANTIA(8904)です。
本記事は投資を推奨するものではありません。
また、複数の資料を確認して作成していますが数値等に誤りがある場合もありますので、最終的にはご自身で確認した上で判断してください。
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